
うちのFX勉強会には「進研ゼミ」という言葉がある。
あ!これは先生に教わったやつだ!俺でも勝てる!
と自信を持ってエントリーできて、簡単に勝てる機械的な手法。
僕もこのやり方は使う。
今も過去も、たぶん未来もずっと使えるやり方。相場に効くやり方。
が、専業トレーダーレベルに進化するためには「あと一歩」そこから脱しなきゃいけない。
お手軽なやり方だけでは安定してお金を増やし続けることはできないから。
「簡単に勝てる機械的FX手法」とは何だったか

ポンド円1時間足、2019年1月頃。
非常にわかりやすい形が出たので紹介した。
誰がどう見ても付近の最安値。
そこからの上昇。
当然いつものフィボナッチリトレースメントを使うよね。
38.2%まで落ちてきて、露骨に数値が効いている。
38.2%で買い。
たまたまそのときはバイーン!と跳ねて200pipsくらい動いた。
結論として「FR38.2で毎回200pips取れば俺は大金持ちだ!」となる。
「簡単に勝てる機械的FX手法」はいつでも200pips取れるのか?

さっきの相場より、もっと大きい視点で見てみよう。
大きい視点で見た付近の目立つ高値からの下降を見る。
こう。


38.2%の部分を拡大する。

ルールでは38.2%ラインに触れたときに売り。

確かにそのラインで反応して下げている。
「毎回200pips取れば俺は大金持ちだ!」の人の場合はどうなるか。

そこから150pipsほどしか下げない。
その後は700pipsの上昇トレンドになってしまう。
こういうのを見ると素人FXトレーダーはどう考えるのか。
「じゃあ先生、利確は150pipsがいいのですか?」となる。
また別の相場を見てみるかい?
今度は100pipsしか動かない相場があるかもしれない。
ひょっとしたら50pipsかもしれない。
そのたびにコロコロと利確のルールを変えるのかい?
初心者・素人がやりがちな「カーブフィッティング」だよね。
じゃあ僕はどう教えるかといえば、

「進研ゼミはだいたい20pipsを目安に利確しようね」となる。
「簡単に勝てる機械的FX手法」の意味を理解する

相場ってね、いろんな動き方をするんだよ。
狙ってた38.2%から一気に何百pipsも動くなんてのは、頻度としては・確率としては少ない。
よくあるパターンというのは、38.2で「反応して」、で、ちょっと下げる、みたいなやつ。
その後は下げるかもしれないし、上げるかもしれない。
もしくはその付近をウロウロするかもしれない。
遠い未来のことなど誰にも予測不可能。
ただ、一つ言えることは
- フィボナッチリトレースメントの使い方が本当に正しければ
- 20pips程度だったらほぼ確実に取れるのでは?
ってことだけ。
だから僕は以前に言った。「この手法をやるのは38.2%に最初に触ったときだけですよ~」って。

今回の例でも、1回目に売ったら20pips取れた。
でも2回目・3回目となるとわからない。
逆行するかもしれないし、ウロウロともみ合いに巻き込まれるかもしれない。
僕のこの話を聞かない人は多くいる。
「なるほど、38.2%で売ったり買ったりすればいいんだ」とアホみたいな顔して人の話を聞く。
で、38.2%ラインで3回も5回もエントリーする。
もしくは38.2%ラインでモタモタして下がってきた先っぽで売ったりする。
で、勝てない。
当たり前だよね。教えたことをそのまま実行してないんだから。
だから僕は言うんだよ。教わったことをアレンジせずにそのままやってくださいね、って。
専業レベルのFX手法に進化させる
フィボナッチリトレースメントを環境認識に使う

ここから、最近の相場に話が移る。
ポンド円4時間足。ローソクを細くして直近の最高値と最安値が画面に入るようにした。
そこから上昇してフィボナッチリトレースメント38.2%に達した。

さっきの「簡単に勝てる機械的なFX手法」みたいに38.2%で売っても良い。
が、今回は週末~週明けの局面で売りづらい。
そこで、38.2%のラインを環境認識に使ってみる。
実際の環境認識

僕はこの週に次のような環境認識をした。
直近の相場は上昇が強い。
ほとんど戻し(下げ)が無い。
ということは、値動きの意味としては「上昇の力が強い」となる。
しかし、FR38.2%で止まっているという「証拠」も出てしまっている。
なのでここで買うかといえば、買いづらい。
じゃあ売るかといえば、上昇の力が強い所で逆張りの当てずっぽう売りをすると勝率が低くなる。
じゃあ勝率を高めるためにはどうするか?

例えば「FR38.2で上昇が止まりましたよ~」という相場の形になってから売りを考えればいい。

あるいは、そこから実際に下げたのを確認して、その戻しで売ればいい。
確認しないでノープランで行き当りばったりで当てずっぽうでトレードするからみんなFXで勝てないんでしょ?
専業FXトレーダーの実際のシナリオ

2019年9月19日木曜日の朝、1時間足。
大きな下降のフィボ38.2%でずっと停滞している。
上昇トレンドに乗って買いを考えるにしても、ここには明らかに壁があるので買いづらい。
買うなら5分足レベルで少し戻して(下げて)から。
あるいはこのまま高値更新して上昇が強くなり、グイグイと上げていくなら小刻みに買いを入れるしかない。
もしくは、売りをするほうが簡単ではないか?とも考えていた。
1時間足でFE38.2付近で3回くらい止まっている。
そこから実際に下降するのを確認して、その戻しで売る。
専業FXトレーダーの実際のトレード

で、その日は実際にどのような動きになったのか。
まず、①で売った人がうちのFX勉強会にいたが、売りづらいよね。
本当に38.2で止まったかどうかわからないし、そこから本当に下げたかもわからない。
かつ、下げたとしても「戻しで売る」という計画を立てていた。
①の部分って下げの戻し(上昇)というよりは、「横ばい」って感じ。
②で買っていた人もいたけど、ちょっと僕には意味がわからなかった。

売るんだったら③で売るのが一番いいよね。

何がいいかって、「ちゃんとした形」になってる。
上昇のフィボナッチエクスパンション161.8%で止まっている。
上昇のエリオット波動が5番まで数えられる。
僕はここで約40pipsを売りで取った。

いつものように、僕だけ「勝てました!」って言っても信憑性がないし胡散臭いので、勉強会参加者のトレードも見せる。
多すぎてちっちゃくしか載せられないが全員分。
